コラム

ライターでなくとも文字を書いた方がいい話

先日、3月まで在籍していた会社(ビーワークス)の課長から「この記事見た?」とLINEがきました。私はそれを読んで感想を返事しました。時間にして約13分。

興味のある題材だし、自分の中ではなんてことない返事のつもりでした。ざざっと読んで、感想をまとめる。なんの変哲も無いことです。しかし、次にこうきました。

そこで初めて自分が「思考を言語化する力」がついたことを自覚したのです。

 

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思考の言語化

私は2018年3月まで会社に務めており、4月から独立しました。そして、それを機に自身のサイトで記事を書くようになりました。理由は「自分がどういった人間かの判断材料」としてもらうためです。フリーランスは組織に属しておらず、いわば身一つの状態。発注側は、そんな見ず知らずの人間に仕事を頼むのは怖いものです。そこで少しでも人柄をわかってもらい、私という人間(つまり仕事を発注するに値するどうか)の判断材料にしてもらいたいと思い、記事を書いていました。

▼サイト設立当初の記事

初めは何書けばいいのはわからず、ベタな自己紹介にはじまり、本の紹介や独立までの経緯を書いたりしていました。自己紹介や経緯は実体験の言語化だし、本の紹介はいわば要約です。比較的易しい題材だと思います。

▼現在の最新記事

しかし、最近では上記スクショのように「AdobeMAX(イベント)」に対しての思考を整理し、記事にまとめるようにできました。これは今思えば、自分にとってなかなかの成長なんです。

 

言語化が苦手な理由

もともと自分の思考を言語化することは苦手でした。小論文を書いたのは高校生まで。ブログ(その昔「前略」「デコログ」というものがありましてね…w)も流行りに乗っかってやった程度ですぐ飽きてしまい、そもそも文章を書く癖がありませんでした。
そして、会社員時代もそれは苦手のままで、社内掲示板では極力発言してませんでした。理由は

・勉強不足ゆえに間違ったことを発言したらどうしようかという不安
・上記理由で発言を残したくない
・思っていることを「文章で言語化」すること自体に時間がかかる
(なので内容について思うことを話すことはできる)

というのが、根本にあったのですが、もう1つ大きな理由として

・議題に対してそれを整理するのに時間がかかる
・つまり、本質(的)を捉えるのが苦手orわからない
・時間がかかるゆえに仕事中に片手間でこなすことができない

ということがあったのです。おかげでメールのレスポンス1つとっても30分かかることがありました。なので午前中レスポンスに消えるなんてことはしょっちゅうでした。そしてのんきに課長をはじめとする上司に

「あんなにレスポンス早いのは脳の処理速度が早いんだろうな。すごいな」

と、他人事といいますか、「あのひとたちと自分は違う」みたいに思っていました。今思えば、努力不足を開き直っているようにしか思えないですけれど。

蛇足ですが、当時自己肯定力がすごく低かったのもあいまって「自分はなんて仕事のできないポンコツなんだ」と卑下していたのも要因の一つです。

 

「思考の言語化」は”慣れ”でだいぶ克服できる

そんな会社員時代から、身一つになり、記事を書くにあたり、会社員時代と大きく違う部分がありました。それは言語化の根本のコンプレックスであった

・勉強不足ゆえに間違ったことを発言したらどうしようかという不安

が、ないことです。あたりまえですが自分のサイトなので自分が間違ったことを言おうが基本的に他人には迷惑はかからないし、それを添削するひともいないわけです。人の顔色を見ることなく自由に言語化できるというのはとてもストレスフリーで楽しいことでした。

今、昔の記事を読み返すと「なんか嫌味な文章だな」「稚拙だな」と思うことがあるのですが、それに気づけるだけマシになったということだと思います。私に足りなかったのは圧倒的な経験です。議題に対し、思考を言語化することを繰り返す。それに慣れれば自然とコツを掴み、情報の処理速度が上がっていくのだと思います。

 

文字を書くと処理速度が上がる

まとめると、タイトルにある通り「文字書きの仕事でなくとも文字を書いた方がいい」ということです。コピーライターでなくとも作家でなくともブロガーでなくともです。それは自然と情報の処理速度につながり、ひいてはディレクション力や状況判断力に繋がると思うからです。

たまに「デザイナーであれば記事など書いて情報発信などせずに、デザインにうちこむべきだ」という意見を聞きます。言わんとしていることはわかりますし、間違ってもいないと思います。しかし、もし

・メールを早く返したい
・議題に対する情報処理速度をあげたい
・ひいてはもっと効率的に仕事したい
・そして自分に自信をもちたい(←これ結構大事です)

と思われるのであれば、ご自身の職業がなんであろうと文字を書くのは良いと思います。公開が嫌なら日記でもいいし、アプリならnoteとかちょうどいいし。気楽にかけるならなんでもいいと思います。(だってライターじゃないしw)でも公開していたらレスポンスが来るので、それは励みになります。

当たり前なことかもしれませんが、本当に情報処理速度が低いゆえに自己肯定ができなかった時期が長かったので、まとめました。ご参考にしていただけますと幸いです。

ABOUT ME
有柚 まさき
【 広告漫画家 、デザイナー、アートディレクター】 フリーランス / MEBICコーディネーター 課題解決するアイデアを。広告マンガ制作をします。